歯がない人ほど肺炎に細菌で感染

歯がない人ほど肺炎に 細菌で感染 名古屋大など調査

歯周病から全身疾患へ

抜けてしまった歯が多い人ほど肺炎で亡くなる危険性が高いことが、名古屋大や京都大などの研究グループの調査でわかった。
歯がない人は口の中に細菌が多く、肺にも感染しやすいためだという。

名古屋大大学院医学系研究科博士課程の須磨紫乃(しの)さん(予防医学)らは、全国の歯科医師会の会員約2万人を対象に、歯の状態や健康状態などについて回答してもらい、その後に亡くなった人について死因を調べた結果を分析。肺炎による死亡率と、抜けた歯の本数との関係を調べた。
肺炎の死者は計55人。抜けた歯が4本までの人と比べると、年齢や肥満などの影響を差し引いても、5~14本が抜けていた人は危険性が1・74倍、15~27本の人は2・37倍あった。4本の親知らずをのぞく28本がすべて抜けていた人の危険性は、2・77倍あった。
2014年1月26日16時32分


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母乳育児が歯の健康に有益

母乳育児が歯の健康に有益
おしゃぶりの使用度も関連
HealthDay News2015年7月2日 (木)配信 小児科疾患産婦人科疾患

乳児を母乳で育てると、後に噛み合わせ異常が起きる可能性が低減するという。オーストラリア、アデレード大学のKaren Peres氏らの研究で示され、論文が「Pediatrics」オンライン版に6月15日掲載された。

Peres氏らは小児1,300人超を5年間追跡し、生後3カ月時、1歳時、2歳時の母乳育児の状況を調べた。また、生後3カ月、1歳時、2歳時、4歳時でのおしゃぶりの使用頻度も尋ねた。小児の約40%は4年間、日常的におしゃぶりを使用していた。

5歳時点で、小児らに開咬、交叉咬合、過蓋咬合、中等度~重度の噛み合わせ異常など、歯や顎の位置異常がみられるかを調べた。

過蓋咬合のリスクは、生後3~6カ月に母乳のみで育てられた小児ではそうでない小児に比べて3分の1低く、6カ月以上の母乳歴がある場合は44%低くなっていた。同様に、中等度~重度の噛み合わせ異常のリスクも、それぞれ41%、72%低くなった。

開咬、過蓋咬合、中等度~重度の噛み合わせ異常は一般に、ほとんどまたは完全に母乳で育った小児で少なかった。ただし、ほとんど母乳育児の児でも、おしゃぶりを使うと噛み合わせ異常の可能性がやや高かった。

今回の研究は母乳育児と歯の健康の因果関係を証明したものではないが、「母乳育児は、口腔の筋発達や鼻呼吸を助ける。また、不正咬合の危険因子と考えられているおしゃぶりの使用率も低くなる」とPeres氏は話している。


歯のクリーニングで肺もきれいに保てる

年2回の歯科受診で細菌性肺炎リスクが低下
HealthDay News2016年11月10日 (木)配信 一般内科疾患呼吸器疾患感染症

定期的な歯科検診は明るい笑顔を保つだけでなく、肺の健康も保つ可能性があるという。米バージニア・コモンウェルス大学感染症部門内科助教授のMichelle Doll氏らの新たな研究で、定期的な歯のクリーニングにより肺感染症を引き起こす細菌量が減少し、肺炎リスクが低下する可能性があることが示唆された。

 

米国では毎年100万人近くが肺炎を発症し、5万人が肺炎で死亡する。誰でも肺炎にかかる可能性はあるが、高齢者、他の肺疾患がある患者、AIDSなどの疾患をもつ患者ではさらに多くみられる。

本研究では、2万6,000人超の記録をレビューした。その結果、歯科医を全く受診していない人は、年2回の歯科検診を受けている人に比べて細菌性肺炎になる可能性が86%高かった。

この研究結果は、米国感染症学会(IDSA)、米国病院疫学学会(SHEA)、HIV医学協会(HIVMA)、小児感染症学会(PIDS)の年次集会であるIDWeek 2016で10月27日発表された。なお、学会発表された知見は、査読を受けて専門誌に掲載されるまでは予備的なものとみなされる。

Doll氏は、「口腔衛生と肺炎との関係は十分に裏づけられており、歯科受診は良好な口腔衛生を維持するために重要だ。口腔内の細菌をゼロにすることは不可能だが、きちんとケアすれば細菌の量を制限できる。われわれの研究は、口腔衛生が全身の健康に関係することを示すさらなるエビデンスであり、歯科のケアをルーチンの予防医療に組み込むことの重要性を示唆している」と述べている。


歯の病気で動脈硬化が悪化 京大、疫学研究で確認 「医療新世紀」

臨床 2017年1月24日 (火)配信共同通信社
失った歯の本数と、動脈硬化の悪化の程度とに強い関係があることが、京都大の大規模な疫学研究で明らかになった。

歯周病菌の感染などで動脈硬化が進むことは従来の研究で指摘されていたが、地域の住民の集団で関係が確かめられたのは初めてといい、「歯の手入れと歯科の定期的な受診により口の中の病気を予防することで、動脈硬化に関係する死亡のリスクを下げる効果が期待できる」としている。

京都大と滋賀県長浜市が連携して2007~10年、同市の30~75歳の男女約1万人を対象に進めた疫学研究「ながはま0次予防コホート事業」の成果。

浅井啓太(あさい・けいた)京都大助教(口腔(こうくう)外科学)らは、まず参加者全員の歯科検診を実施。矯正や外傷によらない、歯周病などで失った歯の本数を確かめた。同時に、体を横たえた状態で、両腕と両足首の血圧と、心拍が末梢(まっしょう)血管に伝わる様子とを測る「CAVI」という方法で参加者の動脈硬化の程度を割り出した。

年齢や性別、喫煙の有無、血糖値など、動脈硬化に関わるほかの条件の影響を排除して両者の関係の有無を解析したところ、失った歯の本数が多いほど、動脈硬化の程度が悪くなっていることが分かった。

従来の動物実験や臨床研究では、口中で歯周病菌などの細菌感染による炎症が起こると炎症性物質が血管に入り込み、その結果、血管の内面が傷ついて動脈硬化を引き起こすことが分かっている。

浅井助教は「毎日の歯磨きを中心とした生活習慣で動脈硬化が防げることを知って、健康管理につなげてもらいたい」と話している。


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ペットの歯周病

お知らせ

ペットの歯周病ご用心…寿命延び増加
読売新聞

専門家「歯磨きで予防を」

 

ペットの長寿命化に伴い、歯の病気にかかる犬や猫が増えている。「歯科」を看板にする動物病院もあるほか、動物用歯ブラシなどの商品も数多く販売されている。専門家は、歯磨きによる予防を呼びかけている。「歯周病がこんなに大変な病気とは知らなかった」。ミニチュアダックスフントに歯の手術を受けさせた、東京都内在住の女性は話す。
目の下が腫れ、たびたび吐くようになった。近所の動物病院に行ったところ、歯周病のため上あごの骨が溶け、うみが目の下にたまっているとの診断。歯科を得意とする「センターヴィル動物病院」(東京都目黒区、幅田功院長)を紹介された。ぐらぐらする歯を抜き、歯石を取り除いた。しかしその後再発し、再び手術を受けた。幅田さんは「歯周病が悪化すると心臓病や腎臓病などの病気を引き起こすこともある。早期の適切な治療が必要」と話す。

 

ペットフード協会の2014年の調査では、ペットの平均寿命は、中・大型犬で13歳、超小型犬で15歳ほど。ネコは、室内飼いで16歳ほど。「かつてに比べて延びている」という。ワクチンの普及や、飼育環境・栄養バランスの改善などが要因と考えられる。歯周病は年齢が高くなるほど多くなり、アメリカの研究では、6歳以上の小動物の約85%に歯周病があるというデータも。特に犬は、子犬の時から口内に歯周病菌があり、かかりやすいとされる。

ペット保険最大手の「アニコム損保」によると、契約者が飼っているペットで、12年4月から1年間に歯の病気で治療を受けた犬の割合は0~12歳の平均で5・2%、猫は3・3%。年齢が上がるほど割合は増え、犬の12歳では約10%に上る。ペットショップなどでは、動物用歯ブラシや、「歯垢しこうがつきにくい」とうたうペットフードの販売も増えている。予防のため、歯磨き指導に力を入れる動物病院もある。

埼玉県上尾市の「フジタ動物病院」は、診察を受けた飼い主を対象に「歯みがき相談室」を開いて、正しい歯磨きの仕方を指導している。まずは、好物を口もとに持って行き、飼い主に口の周辺を触られるのに慣らす。次にガーゼに歯磨きペーストや好物の味をつけて歯の表面をこすり、慣れたら歯ブラシを使って磨く。歯磨きをさせたら褒める。歯周病や口内炎などがあると痛がるので、病気を治療してからためす。
「重度の歯周病を患った経験のあるペットでも、治療後にきちんと歯磨きを続ければ、長く元気に過ごせる」と院長の藤田桂一さん。

動物の歯科に詳しい人材の育成も始まった。日本大学生物資源科学部獣医学科(神奈川県藤沢市)は今年4月に「歯科学研究室」を新設。動物看護師を養成する「ヤマザキ学園大学」(東京都)の動物看護学部でも昨年、「動物歯科学」の科目を設けた。日大同学科特任教授の大場茂夫さんは「ペットの高齢化が進み、歯の病気はさらに増えると見込まれる。専門家の養成を急ぎつつ、ペットの歯について、飼い主の意識を高めていく必要がある」と話している。(針原陽子)

2015年09月18日 Copyright  The Yomiuri Shimbun


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