口腔内細菌とすい臓がん

膵癌に関連する口腔内細菌2種同定【米国癌学会】

2件の試験によるコホート内対照研究

健康な人の口腔内に存在し歯周病発症につながる2種の口腔内細菌が、膵癌の進展リスク上昇に関連するとの研究成果が明らかになった。4月16-20日の米国癌学会(AACR)年次集会で発表された。

先行研究で歯周病の既往や歯の喪失本数など口腔内の健康悪化を示す指標と膵癌のリスク情報との関連が指摘されていた。今回の研究では膵癌リスクに関連する原因菌が検討された。健康人を対象に癌を含む各種予後を追跡する2件のコホート試験(Cancer Prevention Study II、Prostate, Lung Colorectal, and Ovarian Cancer Screening Trial)によるコホート内症例対照研究。追跡期間中に膵癌を発症した患者361例と、背景因子をマッチさせた膵癌未非発症者371例の、ベースライン時に収集した口腔洗浄液のサンプルに含まれている菌種を遺伝子解析で同定し、膵癌発症との関連を解析した。

口腔内洗浄サンプルからPorphyromonas gingivalisが同定された人では59%、Aggregatibacter actinomycetemcomitansが同定された人では119%、膵癌リスクが上昇していた。この結果は最近(2年以内)に膵癌を発症した人のサンプルを除外した解析でも同様だった。

研究グループの1人Jiyoung Ahn氏らは、診断からの5年生存率が5%未満に過ぎない膵癌の予防や早期発見の開発が早急に必要とされていると指摘。今回の研究成果はすぐに予防や発見に役立つものではないが、今後の検討次第で新たなアプローチにつながるのではないかと期待を示している。


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