睡眠時無呼吸症候群,SAS

睡眠時無呼吸症候群,SAS

多摩市医科歯科ナビ

閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)とは睡眠中に断続的に無呼吸(むこきゅう:10秒以上続く気流停止)を繰り返し、その結果、日中の眠気などの症状に加え呼吸循環系への障害をきたす疾患で、中年男性のいびきをかく人や肥満者に多くみられます。

確定診断のためには、医療機関での症状の確認、終夜モニターであるポリソムノグラフィー(PSG)などの検査が必要になります。

治療としては、肥満のある人では減量が基本的治療として重要ですが、経鼻的に上気道に一定圧の空気を送り込んで上気道をつねに陽圧に保つことにより睡眠中の上気道の閉塞を防ぐ経鼻式陽圧呼吸(NCPAP)(けいびしきようあつこきゅう)が行われてきました。

しかし、マウスピースやスプリントなど口腔内装具により下顎を前方に位置付けて上気道を拡張させ治療する歯科的治療が効果的であることがわかり、近年、これが保険適応となりました。

コンパクトで携帯も便利で、NCPAPにうまく適応できない人にも適応でき、広く普及しつつあります。また、症例によっては、軟口蓋の一部や顎骨を切ったり,骨を延長したりして気道を広げることもあります。


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口腔内細菌とすい臓がん

膵癌に関連する口腔内細菌2種同定【米国癌学会】

2件の試験によるコホート内対照研究

健康な人の口腔内に存在し歯周病発症につながる2種の口腔内細菌が、膵癌の進展リスク上昇に関連するとの研究成果が明らかになった。4月16-20日の米国癌学会(AACR)年次集会で発表された。

先行研究で歯周病の既往や歯の喪失本数など口腔内の健康悪化を示す指標と膵癌のリスク情報との関連が指摘されていた。今回の研究では膵癌リスクに関連する原因菌が検討された。健康人を対象に癌を含む各種予後を追跡する2件のコホート試験(Cancer Prevention Study II、Prostate, Lung Colorectal, and Ovarian Cancer Screening Trial)によるコホート内症例対照研究。追跡期間中に膵癌を発症した患者361例と、背景因子をマッチさせた膵癌未非発症者371例の、ベースライン時に収集した口腔洗浄液のサンプルに含まれている菌種を遺伝子解析で同定し、膵癌発症との関連を解析した。

口腔内洗浄サンプルからPorphyromonas gingivalisが同定された人では59%、Aggregatibacter actinomycetemcomitansが同定された人では119%、膵癌リスクが上昇していた。この結果は最近(2年以内)に膵癌を発症した人のサンプルを除外した解析でも同様だった。

研究グループの1人Jiyoung Ahn氏らは、診断からの5年生存率が5%未満に過ぎない膵癌の予防や早期発見の開発が早急に必要とされていると指摘。今回の研究成果はすぐに予防や発見に役立つものではないが、今後の検討次第で新たなアプローチにつながるのではないかと期待を示している。


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お口から始める全身の健康

[お口からはじめる全身の健康]酒・たばこ、歯茎を損なう

大阪大学歯学研究科長・歯学部長 天野敦雄さん

天野敦雄さん
口の健康を守るためには、しっかりと歯を磨き、定期的に歯医者に行くことが大事です。日本人は米国人に比べると、口がきれいかどうかをあまり気にしていないようです。米国人と日本人のどちらが歯を大事にしているかを調べたデータによると、米国人の歯への年間投資は3万6000円なのに対し、日本人は6000円でした。

かつて歯医者は、虫歯など病気の治療に行くところでした。でも今は違います。病気を予防するために行くところになりました。

近年、口の健康が寿命や健康に大きく関係していることがわかってきました。

私たちの口の健康を脅かしているのが歯周病です。

歯周病は、 歯垢しこう に含まれる細菌によって歯茎に炎症が起きる病気です。歯を支える土台の「歯槽骨」が溶け、やがて歯が抜けます。

歯周病菌は、他人の唾液がついた食べ物を食べたり、飲み物を回し飲みしたりしてうつります。ペットからうつることもあります。

健康な時、菌の病原性と我々の歯茎の抵抗力のバランスがとれています。それが不健康になると、歯周病菌の病原性が高まります。すると、バランスが崩れて歯周病になるのです。

実は、歯周病菌がうつるのは18歳以降です。理由はわかりませんが、子供の口には歯周病菌はいません。
ただ、何らかの理由で18歳以降に歯周病菌がうつっても、実際に歯周病になるのは大体、中年からです。

感染してから歯周病が発症するまでの間は、未病の状態です。年齢を重ねて、歯磨きをすると歯茎から血が出ることがあります。そんな人は歯医者に行ってクリーニングしてください。そうすると、出血が止まり、健康な口になります。

歯周病は全身の健康に影響を及ぼします。歯周病菌は、口の中で血が出ているところから血管の中に入り、血流に乗って全身を駆けめぐります。今では、アルツハイマー病や心臓病、糖尿病、がん、骨粗しょう症、関節リウマチなどの病気に関係することがわかってきました。歯科には定期的にかからないとダメです。間隔をあけても、半年に1回は行ってください。3か月に1回がベストです。

歯周病はサイレントディジーズ(静かなる病気)と呼ばれます。痛みなど自覚症状がないため、気づかぬうちに進行するからです。このため、未病の状態でのケアが大事。歯科にかかるとともに歯ブラシ、歯磨き剤、歯間ブラシ、デンタルフロスなども使ってください。

歯磨きで一番大事なのは、小刻みに歯をこすって、歯と歯の間に毛先を入れることです。

全身が健康であることも歯茎の健康に大事です。歯茎の抵抗力が落ちると、歯周病にもなりやすいからです。歯茎は年齢とともにだんだん弱ります。もともと遺伝的に歯茎が弱い人もいます。最後に生活習慣も大切です。寝不足や偏った食生活、運動不足、お酒の飲み過ぎは避けてください。たばこは歯茎に悪影響を及ぼします。ストレスも体に悪いのでさけましょう。

◇あまの・あつお  1958年生まれ。84年、大阪大歯学部卒。2000年から大阪大歯学研究科教授。15年から現職


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歯の病気で動脈硬化が悪化

多摩市医科歯科ニュース

歯の病気で動脈硬化が悪化 京大、疫学研究で確認 「医療新世紀」

臨床 2017年1月24日 (火)配信共同通信社
失った歯の本数と、動脈硬化の悪化の程度とに強い関係があることが、京都大の大規模な疫学研究で明らかになった。

歯周病菌の感染などで動脈硬化が進むことは従来の研究で指摘されていたが、地域の住民の集団で関係が確かめられたのは初めてといい、「歯の手入れと歯科の定期的な受診により口の中の病気を予防することで、動脈硬化に関係する死亡のリスクを下げる効果が期待できる」としている。

京都大と滋賀県長浜市が連携して2007~10年、同市の30~75歳の男女約1万人を対象に進めた疫学研究「ながはま0次予防コホート事業」の成果。

浅井啓太(あさい・けいた)京都大助教(口腔(こうくう)外科学)らは、まず参加者全員の歯科検診を実施。矯正や外傷によらない、歯周病などで失った歯の本数を確かめた。同時に、体を横たえた状態で、両腕と両足首の血圧と、心拍が末梢(まっしょう)血管に伝わる様子とを測る「CAVI」という方法で参加者の動脈硬化の程度を割り出した。

年齢や性別、喫煙の有無、血糖値など、動脈硬化に関わるほかの条件の影響を排除して両者の関係の有無を解析したところ、失った歯の本数が多いほど、動脈硬化の程度が悪くなっていることが分かった。

従来の動物実験や臨床研究では、口中で歯周病菌などの細菌感染による炎症が起こると炎症性物質が血管に入り込み、その結果、血管の内面が傷ついて動脈硬化を引き起こすことが分かっている。

浅井助教は「毎日の歯磨きを中心とした生活習慣で動脈硬化が防げることを知って、健康管理につなげてもらいたい」と話している。


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歯のクリーニングで肺もきれいに保てる

多摩市医科歯科ニュース

歯のクリーニングで肺もきれいに保てる

年2回の歯科受診で細菌性肺炎リスクが低下
HealthDay News2016年11月10日 (木)配信 一般内科疾患呼吸器疾患感染症

定期的な歯科検診は明るい笑顔を保つだけでなく、肺の健康も保つ可能性があるという。米バージニア・コモンウェルス大学感染症部門内科助教授のMichelle Doll氏らの新たな研究で、定期的な歯のクリーニングにより肺感染症を引き起こす細菌量が減少し、肺炎リスクが低下する可能性があることが示唆された。

米国では毎年100万人近くが肺炎を発症し、5万人が肺炎で死亡する。誰でも肺炎にかかる可能性はあるが、高齢者、他の肺疾患がある患者、AIDSなどの疾患をもつ患者ではさらに多くみられる。

歯周病と全身疾患

本研究では、2万6,000人超の記録をレビューした。その結果、歯科医を全く受診していない人は、年2回の歯科検診を受けている人に比べて細菌性肺炎になる可能性が86%高かった。

この研究結果は、米国感染症学会(IDSA)、米国病院疫学学会(SHEA)、HIV医学協会(HIVMA)、小児感染症学会(PIDS)の年次集会であるIDWeek 2016で10月27日発表された。なお、学会発表された知見は、査読を受けて専門誌に掲載されるまでは予備的なものとみなされる。

Doll氏は、「口腔衛生と肺炎との関係は十分に裏づけられており、歯科受診は良好な口腔衛生を維持するために重要だ。口腔内の細菌をゼロにすることは不可能だが、きちんとケアすれば細菌の量を制限できる。われわれの研究は、口腔衛生が全身の健康に関係することを示すさらなるエビデンスであり、歯科のケアをルーチンの予防医療に組み込むことの重要性を示唆している」と述べている。


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