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多摩ニュータウンの再生

多摩ニュータウン:画像 多摩ニュータウン事業は、高度経済成長による住宅難への対応と、それに伴う急速なスプロールの防止を目的として、良好な住宅市街地の形成を目指して行われました。
その後、時代の要請に応じて、業務施設を誘導し、多機能複合都市に発展していきました。
しかし現在、初期入居地区では、団地の老朽化、住民の高齢化、近隣センターの活力低下などの課題が顕在化し、再生が必要となっています。
今後、東京都は広域自治体として地元市を技術的に支援しながら、住宅の更新や道路の整備、地域包括ケアと連携したまちづくりなどに取り組むことで多摩ニュータウンの再生を実現していきます。▽多摩ニュータウン再生はなぜ必要?▽東京都の取組

多摩ニュータウン再生はなぜ必要?

初期入居地区における団地の老朽化・住民の高齢化

(老朽化した団地)

多摩ニュータウン:画像

多摩ニュータウンの開発は長期間にわたって行われたため、初期入居地区ではまちびらきから40年以上が経過し、老朽化がみられます。
また、これらの団地の高齢化率は、東京都平均に比べて高くなっています。

バリアフリー

(エレベーター未設置の住戸)

多摩ニュータウン:画像

エレベーターが設置されていない団地があるなどバリアフリー化が遅れています。

(団地と道路の段差)

多摩ニュータウン:画像

道路と団地の間に段差がある団地も多く、高齢者の外出の妨げとなってしまっています。

近隣センターの活力低下

近隣センターは、団地内の住民の利便のため、日常の買い物等を行う場として整備されてきました。しかし、初期入居地区の近隣センターでは、ライフスタイルの変化などにより、空き店舗が増加しています。

多摩ニュータウン再生の必要性

魅力ある多摩ニュータウンを後世に受け継ぐために、これらの課題を解決し、確実に再生していく必要があります。

東京都の取組

これまでの東京都の取組

・多摩ニュータウン等大規模住宅団地再生ガイドラインの策定

東京都は、大規模住宅団地が、そのポテンシャルを活かしながら直面する様々な問題を解決し、地域の活力・魅力の向上につなげることができるよう、その再生のあり方について、学識経験者等による「多摩ニュータウン大規模住宅団地問題検討委員会」を平成23年6月に設置し、その検討結果をもとに、再生の方向性や取組方法などを示した「多摩ニュータウン等大規模住宅団地再生ガイドライン」PDFファイル668KB)を平成24年6月に取りまとめました。

・諏訪二丁目住宅の建替え支援

東京都や多摩市等が進めている多摩ニュータウン再生の第一歩として、諏訪二丁目住宅の建替え事業が平成25年10 月に竣工しました。地元の多摩市は、建替組合に対して助成を行っており、東京都は、地元市を支援するため、その建設費の一部を補助しています。今回の建替え事業は、居住環境の改善のみならず、地域の活性化や福祉の充実にも寄与するなど、今後の団地再生のモデルともなるものです。

<関連リンク:諏訪二丁目地区の事業概要PDFファイル295KB)

・地元市の再生に向けた取組への技術支援

東京都は、「多摩ニュータウン等大規模住宅団地再生ガイドライン」に基づき、地元市の多摩ニュータウン再生に向けたまちづくりの方向性や取組について技術支援を行っています。
多摩市では「多摩ニュータウン再生検討会議」を設置し、平成27年3月に検討結果をとりまとめ、多摩ニュータウン再生方針(案)として公表しました。
その後、検討の深度化を進め、多摩ニュータウン再生方針をとりまとめ、平成27年10月に公表しました。

<関連リンク:多摩ニュータウン再生方針が提言されました>

今後の東京都の取組

・東京都長期ビジョンにおける位置づけ

平成26年12月に公表した「東京都長期ビジョン」において、多摩ニュータウンの再生は以下のように位置づけられました。

(東京都長期ビジョン「多摩ニュータウン等大規模住宅団地の再生促進と取組支援」から抜粋)

・「多摩ニュータウン等大規模住宅団地再生ガイドライン」を活用し、老朽団地の更新や公共施設のバリアフリー化などについて地元市を技術的に支えながら、住宅の更新、道路の整備、地域包括ケアシステムと連携したまちづくりなどに取り組んでいく。

・リニア中央新幹線や圏央道など広域的な基盤整備効果を勘案した多摩ニュータウン全体の人口推計やコンパクト化に向けた手法などについて、学識経験者を交えて検討し、多摩ニュータウン全体の再生に向けた「多摩ニュータウン地域再生ガイドライン(仮称)」を策定・公表する。

・南多摩尾根幹線の整備を推進し、早期に広域的な道路ネットワークを形成することにより、多摩ニュータウンの魅力を向上させるとともに、当該道路と連動した道路沿道型業務・商業用途への土地利用転換の誘導を技術支援する。

・昭和40 年代に建設した約3,900 戸の都営住宅について、良質な住宅ストックとして維持・更新するため、老朽化の度合い、修繕履歴、仮移転先の確保等を踏まえながら計画的に建替えを実施し、バリアフリー化など居住の水準向上に取り組んでいくとともに、諏訪団地については、先行的に建替えに取り組み、2020 年度までにその一部を竣工する。

・老朽化した大規模分譲マンションについては、居住環境の改善のみならず、地域の活性化や福祉の充実にも寄与するよう、地元自治体と連携して建替え等による再生を支援する。

・都営住宅の建替えにあたっては、地元市等と連携しながら、創出用地の配置や規模に関する検討を行った上で、これをまちづくりに活用し、多摩ニュータウンの再生に貢献していく。

・2020 年大会に来訪する国内外の人々に、ニュータウン再生のプロセスを示したパンフレットなどを配布し、再生の多面的な取組を広く発信するとともに、多摩ニュータウンのブランドアップを図り、再生を促進する。

<都市構造の誘導による再生のイメージ>
多摩ニュータウン:画像

・「多摩ニュータウン地域再生ガイドライン(仮称)」の策定

多摩ニュータウン全体の再生に向けた「多摩ニュータウン地域再生ガイドライン(仮称)」を策定するため、平成28年7月に学識経験者等で構成する「多摩ニュータウン地域再生検討委員会」を設置しました。平成29年度目途にこのガイドラインを策定する予定です。

<関連リンク:「多摩ニュータウン地域再生検討委員会」>

・都営住宅の建替え

多摩ニュータウンの諏訪団地では、学校跡地を種地として活用し、福祉施設との合築も行いながら、老朽化した住宅を順次、連鎖的に建替えていく予定です。最終的には、今後、整備が進む南多摩尾根幹線道路の沿道に用地を創出し、商業・産業施設を誘導することで、賑わいを生み出していきます。

多摩ニュータウン諏訪団地の建替えについてPDFファイル1.6MB)

・南多摩尾根幹線の整備

南多摩尾根幹線は、一部区間は4車線で整備されているものの、大半は暫定2車線であることから慢性的な渋滞が発生しており、渋滞を避けようとして生活道路に通過交通が流入するなどの課題を抱えています。
そこで、平成27年2月、南多摩尾根幹線の早期整備を図るため、道路構造の基本的な考え方や今後の進め方を定める整備方針を策定しました。

<関連リンク:「南多摩尾根幹線の整備方針」の策定について>

・マンション再生の支援

東京都では、老朽化したマンションが集積し、防災や活力などの課題を抱える地域を対象に、まちづくりと連携してマンションの再生を支援する新たな制度の構築に向けて取り組んでいます。
その一環である先行モデル事業の実施地区として、多摩市の諏訪・永山地区などを選定しました。まちづくりと連携した方策について地元自治体との意見交換などを進めており、今後の制度構築につなげていく予定です。

<関連リンク:「まちづくりと連携したマンション再生制度の構築に向けた先行モデル事業」実施地区の選定について>


多摩市永山 亀山歯科 東京都多摩市貝取1-17-3
京王永山駅,小田急永山駅より徒歩8分

あさイチ 「“口内フローラ”が歯周病を防ぐ」

多摩市医歯学トピックス

あさイチ 「“口内フローラ”が歯周病を防ぐ」【5月9日放送】
テレビ 2016年5月10日 (火)配信Live on TV
05月09日(月)08時15分~09時55分/NHK総合

虫歯や歯周病など色々悩みの多い口の中。口の中の粘膜を守るために存在する細菌は700種類以上だが、虫歯の原因になるミュータンス菌やお口を守るミティス菌などがいる。たくさんの細菌がいる口の中は、口内フローラとも呼ばれる。歯周病は糖尿病などのリスクになるが、最新の研究で虫歯と脳出血に関係がある事が分かった。今回は口内フローラケアを取り上げる。

思っているより怖い!口の中の異変
何故口内フローラが乱れると様々な病気に繋がるのか、日本大学の落合邦康さんに聞いた。細菌が原因となるケースでは、虫歯でできた穴などから細菌が侵入して病気を引き起こす。一方、歯周病などで歯茎が腫れるとサイトカインという物質が発生、血管に流れ込み、全身に回ると心臓病などのリスクを高めてしまう。しかし免疫力が十分であればさほど心配はないが、加齢により免疫力は落ちるので、40歳以降は注意が必要。

虫歯で脳に出血?
虫歯の原因となるミュータンス菌が微小脳出血に関与しているとの研究結果を、大阪・吹田の国立循環器病研究センターなどのチームが発表した。研究チームが注目したのはcnm遺伝子を持つミュータンス菌。通常血管から出血するとコラーゲンなどが結合して血を止めるが、cnm遺伝子を持つミュータンス菌が血管内に入っているとコラーゲンと結合し、血小板の働きを妨げてしまう。研究チームの猪原匡史氏によると、口腔ケアが脳卒中予防に繋がるかもしれない。

鶴見大学の花田信弘氏が登場。虫歯がある場合は大体の人がミュータンス菌をもっているが、cnm遺伝子を持つ人はその内の1割ほどとなる。ただ細菌が血中に流れると、細菌性肺炎や糖尿病など他の病気のリスクを高める。

あなたの口の中 どうなっていますか?
横浜のよこはま とりがおか歯科で、2人の女性が口内フローラの状況を調査。1人はデンタルフロスなどで入念にお手入れしている女性。1人はケアが苦手な女性。今回は細菌の遺伝子情報を読み取り種類を特定するメタゲノム解析を実施した。調査結果。歯磨きが好きな女性からの歯周病からは158の細菌が見つかり、複数の歯周病菌もあった。しかし唾液の中からは歯周病に関係する菌が3割ほどみつかった。一方、歯磨きが苦手な女性からの歯周ポケットからは173の細菌がみつかり、唾液では全体の4割を占めていた。やはり歯はちゃんと磨かないとダメな模様。

日本人の成人の殆どは歯周病菌をもっていると言われるが、花田信弘氏によると舌の磨きが少ないなどの理由があるという。歯茎の炎症や口臭を引き起こすジンジバリスなど、口内の細菌がどのような活動をしているかを劇場仕立てで紹介した。唾液の働きもあって口の中の平和は守られているが、ある事をキッカケにその平和が乱されてしまう。

口の中の環境を劇場仕立てで紹介した。糖が歯に残る事で口内の環境を整えるミティスがちゃんと働かず、ジンジバリスがやりたい放題となり歯垢となる。ジンジバリスはバイオフィルムを作り、唾液の働きを阻害。その結果、歯周病となってしまう。今回お芝居を披露してくれたのは劇団スーパー・エキセントリック・シアターのみなさんだった。歯周病にならないためには、糖がバリアを作る前に歯磨きをする事が大事になる。磨く時間は限定せず、磨ける時に磨いた方が良い。

口内フローラを良くするポイント
ポイントその1、寝る前の歯磨きは念入りに。1箇所あたり10秒を目安に細かくブラッシング。ポイントその2、歯周ポケットを磨く。歯ブラシを歯周ポケットに斜め45度に当て、掻き出すように磨くとよい。ポイントその3、過度な睡眠不足は禁物。自律神経が乱れると唾液の分泌が悪くなるため注意。ポイントその4、口呼吸はNG。口内が乾く原因となる。ポイントその5、ビタミンDとビタミンAをとる。ビタミンDは青魚、ビタミンAはレバーに多く含まれる。最終ポイントその6、食事はよく噛む。

口内フローラを良くするポイントをまとめたVTRを受けてのスタジオトーク。花田はVTRの見せ方が雑で、歯と歯の間に毛先をきちんと入れ、細かくブラッシングをすると本来ほとんど横には動かないのだがVTRでは動いてしまっていて、みなさんにはそれを心がけて欲しいと補足した。また歯磨きのポイントとして、歯ブラシをえんぴつを握る時と同じくらいの力で持つ、デンタルフロスを歯周ポケットまで入れるなどが紹介された。ポリフェノール、抗菌物質を含んでいるものは歯周病や虫歯の防止に繋がると語られた。

口内フローラについて。花田信弘さんはドライマウスと虫歯の関係について述べた。生活習慣病が虫歯を引き起こす可能性もあるという。総入れ歯でも潰瘍面から歯周病が入る可能性もある。洗口液は善玉菌も殺してしまうのではないかという質問には善玉菌が先に倒れることもあるので、磨いてからやるようにと述べた。殺菌は物理的除去のあとでやることである。

「なる前に防ぐ」歯周病菌を除菌
鶴見大学 歯学部附属病院 歯科医師 宮之原真由さんがマウスピースで除菌する3DS除菌を紹介した。マウスピースに抗菌剤を塗り1回につき5分装着する。

生活習慣病のリスク因子は栄養・運動・休養・タバコ・アルコール・歯の健康である。歯周病&虫歯を防ぐには、歯の表面と舌の中央部をケアすることが一番重要である。


多摩市永山 亀山歯科 東京都多摩市貝取1-17-3
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歯科疾患と全身疾患

歯周病と全身疾患

歯がグラグラして最終的には抜けてしまう歯周病は、成人の多くが患っている炎症性の病気だ。虫歯と並ぶ歯科の二大疾患だが、影響は口腔(こうくう)内にとどまらない。これまでの研究から、肝臓病や心臓病、糖尿病など全身の疾患とも密接に関係していることが分かってきた。歯周病を治療すれば、こうした全身疾患の症状改善にもつながる。


 

歯周病が全身に及ぼす影響

歯周病と心臓疾患・脳血管疾患

狭心症・心筋梗塞

動脈硬化により心筋に血液を送る血管が狭くなったり、ふさがってしまい心筋に血液供給がなくなり死に至ることもある病気です。

血管内に発生するプラーク
動脈硬化は、不適切な食生活や運動不足、ストレスなどの生活習慣が要因とされていましたが、別の因子として歯周病原因菌などの細菌感染がクローズアップされてきました。

歯周病原因菌などの刺激により動脈硬化を誘導する物質が出て血管内にプラーク(粥状の脂肪性沈着物)が出来血液の通り道は細くなります。

プラークが剥がれて血の塊が出来ると、その場で血管が詰まったり血管の細いところで詰まります。

脳梗塞

脳の血管のプラークが 詰まったり、頸動脈や心臓から血の塊やプラークが飛んで来て脳血管が詰まる病気です。歯周病の人はそうでない人の2.8倍脳梗塞になり易いと言われています。

血圧、コレステロール、中性脂肪が高めの方は、動脈疾患予防のためにも歯周病の予防や治療は、より重要となります。

歯周病と糖尿病

強く疑われる人=約890万人、可能性を否定できない人=約1320万人、合わせると2,210万人いると推定されます。
(平成19年国民健康・栄養調査より)

歯周病は糖尿病の合併症の一つ

歯周病は以前から、糖尿病の合併症の一つと言われてきました。実際、糖尿病の人はそうでない人に比べて歯肉炎や歯周炎にかかっている人が多いという疫学調査が複数報告されています。

さらに最近、歯周病になると糖尿病の症状が悪化するという逆の関係も明らかになってきました。つまり、歯周病と糖尿病は、相互に悪影響を及ぼしあっていると考えられるようになってきたのです。

歯周病治療で糖尿病も改善することも分かってきています。
歯周病菌は内毒素をまき散らす

内毒素とは?
細菌の細胞壁に含まれる毒物。細菌が死滅しても毒は残る。エンドトキシンともいう
歯周病の治療による血糖コントロールへの影響
歯周病菌は腫れた歯肉から容易に血管内に侵入し全身に回ります。血管に入った細菌は体の力で死滅しますが、歯周病菌の死骸の持つ内毒素は残り血糖値に悪影響を及ぼします。血液中の内毒素は、脂肪組織や肝臓からのTNF-αの産生を強力に推し進めます。

 

TNF-αは、血液中の糖分の取り込みを抑える働きもあるため、血糖値を下げるホルモン(インスリン)の働きを邪魔してしまうのです。

歯周病を合併した糖尿病の患者さんに、抗菌薬を用いた歯周病治療を行ったところ、血液中のTNF-α濃度が低下するだけではなく、血糖値のコントロール状態を示すHbA1c値も改善するという結果が得られています。


全身の健康に歯科が出来ること

歯肉の炎症が全身に多くの影響を与えることは昨今の研究で明らかになってきています。歯周病も糖尿病も生活習慣病ですから互いに深い関係があって不思議ではありません。

毎日の食生活を含めた生活習慣を見直し、歯周病を予防する事が全身の生活習慣病を予防することにつながります。

歯医者は口腔内の変化をみる事のできるプロです。口腔ケアも自分一人できちんと行うのは難しいと言われています。半年に一度は歯科医を受診し、生活習慣も含め口腔内のケアを受けるようにしてください。

歯周病と妊娠1

妊娠性歯肉炎

一般に妊娠すると歯肉炎にかかりやすくなるといわれています。

これには女性ホルモンが大きく関わってくるといわれており、特にエストロゲンという女性ホルモンがある特定の歯周病原細菌の増殖を促すこと、また、歯肉を形作る細胞がエストロゲンの標的となることが知られています。

そのほか、プロゲステロンというホルモンは炎症の元であるプロスタグランジンを刺激します。

これらのホルモンは妊娠終期には月経時の10~30倍になるといわれており、このため妊娠中期から後期にかけて妊娠性歯肉炎が起こりやすくなるのです。

ただ、基本的には歯垢が残存しない清潔な口の中では起こらないか、起こっても軽度ですみますので、妊娠中は特に気をつけてプラークコントロールを行いましょう。油断すると出産後に本格的な歯周病に移行する場合もありますので、注意が必要です。

また、まれに妊娠性エプーリスという良性腫瘍ができる場合もありますので、その場合はかかりつけの歯医者さんにお早めに受診してください。

歯周病と妊娠2

歯周病と低体重児早産

近年、さまざまな歯周病の全身への関与がわかってきました。

なかでも妊娠している女性が歯周病に罹患している場合、低体重児および早産の危険度が高くなることが指摘されています。

これは口の中の歯周病細菌が血中に入り、胎盤を通して胎児に直接感染するのではないかといわれています。その危険率は実に7倍にものぼるといわれ、タバコやアルコール、高齢出産などよりもはるかに高い数字なのです。

歯周病は治療可能なだけでなく、予防も十分可能な疾患です。

生まれてくる元気な赤ちゃんのために、確実な歯周病予防を行いましょう。

誤嚥性肺炎

誤嚥性肺炎とは、食べ物や異物を誤って気管や肺に飲み込んでしまうことで発症する肺炎です。

肺や気管は、咳をすることで異物が入らないように守ることができます。しかし、高齢になるとこれらの機能が衰えるため、食べ物などと一緒にお口の中の細菌を飲み込み、その際むせたりすると細菌が気管から肺の中へ入ることがあります。

その結果、免疫力の衰えた高齢者では誤嚥性肺炎を発症してしまいます。

特に、脳血管障害の見られる高齢者に多くみられます。

 

誤嚥性肺炎の原因となる細菌の多くは、歯周病菌であると言われており、誤嚥性肺炎の予防には歯周病のコントロールが重要になります。

骨粗鬆症

骨粗鬆症は、全身の骨強度が低下し、骨がもろくなって骨折しやすくなる病気で、日本では推定約1.000万人以上いると言われています。そして、その約90%が女性です。

骨粗鬆症の中でも閉経後骨粗鬆症は、閉経による卵巣機能の低下により、骨代謝にかかわるホルモンのエストロゲン分泌の低下により発症します。

歯周病と骨粗鬆症

閉経後骨粗鬆症の患者さんにおいて、歯周病が進行しやすい原因として最も重要と考えられているのが、エストロゲンの欠乏です。

エストロゲンの分泌が少なくなると、全身の骨がもろくなるとともに、歯を支える歯槽骨ももろくなります。また、歯周ポケット内では、炎症を引き起こす物質が作られ、歯周炎の進行が加速されると考えられています。

多くの研究で、骨粗鬆症と歯の喪失とは関連性があると報告されています。

したがって、閉経後の女性は、たとえ歯周炎がなくても、エストロゲンの減少により、歯周病にかかりやすく、広がりやすい状態にあると言えます。

また、骨粗鬆症の薬としてよく用いられるビスフォスフォネート製剤(BP系薬剤)というのがあり、これを服用している方が抜歯などをした場合、周囲の骨が壊死するなどのトラブルが報告されています。歯周病でぐらぐらしているから自分で抜く、などということは絶対に行わないようにしてください。

関節炎・腎炎

関節炎や糸球体腎炎が発症する原因のひとつとして、ウィルスや細菌の感染があります。

関節炎や糸球体腎炎の原因となる黄色ブドウ球菌や連鎖球菌の多くは、歯周病原性細菌など口腔内に多く存在します。

これらのお口の中の細菌が血液中に入り込んだり、歯周炎によって作り出された炎症物質が血液に入り込むことで、関節炎や糸球体腎炎が発症することがあります。

歯周病とメタボリックシンドローム

メタボリックシンドロームとは?

メタボリックシンドロームとは、内臓脂肪蓄積を臍部の内臓脂肪面積100cm2以上と定義、ウエスト周囲径が男性で85㎝、女性で90㎝以上を基盤とし、さらに、1)血中脂質異常、2)高血圧、3)高血糖の3項目のうち2つ以上に異常所見が見られる病態です。

大きな特徴は内臓脂肪を基盤とすることであり、高血圧、高血糖、脂質異常の値がさほど高くなくても脳卒中や心筋梗塞の危険性が高くなります。

歯周病とメタボリックシンドローム

詳しいメカニズムは解明されていませんが、歯周病の病巣から放出されるLPS(歯周病菌由来の毒素)やTNFαは脂肪組織や肝臓のインスリン抵抗性を増加させ、血糖値を上昇させます。

また、重度歯周病患者では血中CRP値が上昇し、動脈硬化や心筋梗塞発症のリスク亢進と密接に関与すると考えられています。

さらには、この慢性炎症が個体の老化を促進するという論文も出てきました。

このように歯周病とメタボリックシンドロームの関連性が注目されています。


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ペットの歯周病

お知らせ

ペットの歯周病ご用心…寿命延び増加
読売新聞

専門家「歯磨きで予防を」

 

ペットの長寿命化に伴い、歯の病気にかかる犬や猫が増えている。「歯科」を看板にする動物病院もあるほか、動物用歯ブラシなどの商品も数多く販売されている。専門家は、歯磨きによる予防を呼びかけている。「歯周病がこんなに大変な病気とは知らなかった」。ミニチュアダックスフントに歯の手術を受けさせた、東京都内在住の女性は話す。
目の下が腫れ、たびたび吐くようになった。近所の動物病院に行ったところ、歯周病のため上あごの骨が溶け、うみが目の下にたまっているとの診断。歯科を得意とする「センターヴィル動物病院」(東京都目黒区、幅田功院長)を紹介された。ぐらぐらする歯を抜き、歯石を取り除いた。しかしその後再発し、再び手術を受けた。幅田さんは「歯周病が悪化すると心臓病や腎臓病などの病気を引き起こすこともある。早期の適切な治療が必要」と話す。

 

ペットフード協会の2014年の調査では、ペットの平均寿命は、中・大型犬で13歳、超小型犬で15歳ほど。ネコは、室内飼いで16歳ほど。「かつてに比べて延びている」という。ワクチンの普及や、飼育環境・栄養バランスの改善などが要因と考えられる。歯周病は年齢が高くなるほど多くなり、アメリカの研究では、6歳以上の小動物の約85%に歯周病があるというデータも。特に犬は、子犬の時から口内に歯周病菌があり、かかりやすいとされる。

ペット保険最大手の「アニコム損保」によると、契約者が飼っているペットで、12年4月から1年間に歯の病気で治療を受けた犬の割合は0~12歳の平均で5・2%、猫は3・3%。年齢が上がるほど割合は増え、犬の12歳では約10%に上る。ペットショップなどでは、動物用歯ブラシや、「歯垢しこうがつきにくい」とうたうペットフードの販売も増えている。予防のため、歯磨き指導に力を入れる動物病院もある。

埼玉県上尾市の「フジタ動物病院」は、診察を受けた飼い主を対象に「歯みがき相談室」を開いて、正しい歯磨きの仕方を指導している。まずは、好物を口もとに持って行き、飼い主に口の周辺を触られるのに慣らす。次にガーゼに歯磨きペーストや好物の味をつけて歯の表面をこすり、慣れたら歯ブラシを使って磨く。歯磨きをさせたら褒める。歯周病や口内炎などがあると痛がるので、病気を治療してからためす。
「重度の歯周病を患った経験のあるペットでも、治療後にきちんと歯磨きを続ければ、長く元気に過ごせる」と院長の藤田桂一さん。

動物の歯科に詳しい人材の育成も始まった。日本大学生物資源科学部獣医学科(神奈川県藤沢市)は今年4月に「歯科学研究室」を新設。動物看護師を養成する「ヤマザキ学園大学」(東京都)の動物看護学部でも昨年、「動物歯科学」の科目を設けた。日大同学科特任教授の大場茂夫さんは「ペットの高齢化が進み、歯の病気はさらに増えると見込まれる。専門家の養成を急ぎつつ、ペットの歯について、飼い主の意識を高めていく必要がある」と話している。(針原陽子)

2015年09月18日 Copyright  The Yomiuri Shimbun


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