口臭症

口臭について

健康な人や口の中になんの異常もない人でも、まったく口臭のない人はいません。一般に口臭は空腹時に強くなるといわれています。また、タバコを吸いすぎたり、ニンニクやニラなどを食べれば、一時的に特有の臭いがするのも当然でしょう。このような口臭はあまり気にする必要のない、いわば生理的な口臭といえます。

一方、口臭は口の中の原因だけで生じるのではなく、消化器や呼吸器疾患、とくに鼻やのどの疾患、ときには代謝性疾患などで、臭いを出す物質が呼気の中に出てくるために生じることがあります。この場合は、これらの疾患に伴うなんらかの症状があるはずですから、原因のわからない口臭については、これらに関連した検査をする必要があります。

しかし、口臭の最大の原因は歯や補綴物(金冠、人工歯、ブリッジなど)に付着した食物のかすの腐敗、う蝕(むし歯)や歯周病などです。とくに辺縁性歯周炎(へんえんせいししゅうえん)では、歯の周りから出てくる膿(うみ)のために、かなり強い悪臭がすることがあります。本人はその臭いに気づかず、周囲の人が強く感じることも多くみられます。また、舌苔(ぜったい:舌のこけ)や唾液分泌の減少による口腔(こうくう)内の自浄作用の低下も口臭の原因となります。


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歯周病の原因と治療について

歯周病の原因と治療について

歯周組織

歯周組織とは、歯肉(歯ぐき)、セメント質(歯の根の表面)、歯根膜(歯と骨を結ぶ薄い線維状の組織)、歯槽骨(歯を支える骨)の4つを言います。健康な歯周組織とは、この4つの組織に全く異常のない状態です。歯の表面に歯垢(プラーク)がついていなければ歯肉は健康に保たれ、きれいなピンク色をしていて、歯磨きをしても出血しません。
でも食事の後で歯磨きをサボったり、1~2日歯磨きをしないと歯と歯肉の境目に歯垢がたまってきて、歯肉に炎症が起こります。この状態を歯肉炎と言います。炎症が起こると歯肉は腫れ、赤くなり、血が出やすくなります。この時点でまた正しい歯磨きをすれば歯肉は健康な状態に戻ります。
しかしもっと歯磨きをしないで放っておくと、歯肉に起こった炎症が他の歯周組織にも進んでしまい、そうなるともう慌てて歯磨きを始めても、一見歯肉の炎症は治ったように見えますが、歯肉の下で他の歯周組織の炎症は静かにゆっくりと進んでいきます。これが歯周病・歯周炎と呼ばれる状態です。

歯周病の原因は?

歯周病図解

一番の原因はデンタルプラーク(歯垢)です。歯垢は歯の間に挟まった食べかすなどの事ではなく、歯を磨かないことでお口の中にいる細菌が歯の表面にくっついて増えてしまった状態のものです。半日歯を磨かないで歯の表面を爪楊枝のようなものでなぞってみて下さい。黄色くて、ちょっと粘りけのあるものが取れてきます。それがプラークです。この細菌の塊であるプラークが長い時間歯や歯肉の表面に付着していると、虫歯になったり歯肉に炎症が起きて歯周病になるのです。皆さんが聞いたことのある”歯石”も、元々はこのプラークが長い時間くっついていたところに、唾液などに含まれているカルシウム成分が沈着して石のように固まったものです。この”歯石”の状態になってしまうと、もう歯磨きでは取れないので歯科を受診して除去するしかありません。
このように歯周病の最も重要な原因はプラークですが、そのプラークによって引き起こされる炎症は、以下のような因子が重なることによってさらに悪化します。

歯に加わる異常な力:咬む力が全部の歯にバランス良くかからず、負担が大きくなってしまっている歯は歯周病が悪化しやすいです。また歯ぎしりや食いしばり、舌で歯を押したり、お口で呼吸をするといった癖のある方も、歯周病が悪化しやすくなります。
歯並び:歯並びが悪いとブラッシングが上手くできなかったり、歯と歯の間に物が挟まりやすくなり、プラークコントロールの妨げになります。
全身状態:ホルモンや栄養のバランスが悪いと、歯周病が起こりやすく悪化しやすくなります。
特殊な病気:血液の病気(白血病など)、免疫不全、糖尿病などは、歯周組織の抵抗力が低下するため歯周病が悪化しやすくなります。
特殊な薬:てんかんの薬(ダイランチンなど)や降圧剤(アダラートなど)を服用されている方は、歯磨きを怠ると歯肉が腫れて膨らんでくることがあります。
タバコ:タバコに含まれているニコチンやタールのような化学物質は、歯肉の血液の循環障害を起こし、栄養供給が悪くなります。また歯周病があるにも関わらず、血流が悪いため逆に歯肉の赤みや腫れといった炎症症状をわかりにくくさせてしまうため、気がついたときには重症になっている場合が多く見られます。

歯周病図解

歯周病の症状

代表的な症状は以下のようなものです。

歯肉の腫れ
歯肉からの出血・排膿
歯の動揺
物を咬んだ時の痛みや違和感
歯肉の掻痒感(ムズムズ感)
知覚過敏           など

歯周病の診断

初診時に行うお口の中の臨床検査、レントゲン検査、細菌検査などを総合して診断します。歯周病のほとんどが成人性歯周炎と呼ばれる30~40代で発症する慢性的な経過をたどるタイプの歯周炎です。特殊なタイプの歯周炎としては、比較的若い年代で発症し急速に悪化する侵襲性歯周炎や、薬剤の服用により症状が増悪

する歯肉増殖症、妊婦でホルモンのバランスが崩れた時に起こりやすい妊娠性歯肉炎などがあります。

歯周病の治療

歯周病と全身疾患

歯周病の治療の基本は、お口の中を徹底的にきれいにする事です。前述したように、歯周炎を起こす原因はお口の中に存在する”歯周病原性細菌”と呼ばれる何種類かの細菌です。それらの細菌はプラークとして歯や歯肉に付着して発育するので、歯周病の予防ももちろんですが治療をしていく上でもプラークコントロールは最も重要と言えます。そのため歯周病の治療を始めるにあたっては患者さんに歯磨きを上達して頂く必要があるので、ある程度のレベルまで上達して頂くようブラッシング指導を何回か行います。
患者さんにプラークコントロールをある程度習熟して頂いたら、次に歯科医師または歯科衛生士によるお口のクリーニングに進みます。その処置は主に、”スケーリング”という歯に付着しているプラークや歯石を除去する作業です。歯石は歯肉より上の見えている部分の歯に付着するものもあれば、”歯周ポケット”と呼ばれる歯根と歯肉の間にできてしまったいわば”隙間”の中に付着してしまうものもあり、これらはブラッシング程度では除去することができません。この治療は痛みを伴うことがあるため、必要であれば麻酔をして行います。

歯周炎の程度が比較的軽症であれば、プラークコントロールをしっかり行う習慣が身に付き、スケーリングをすることで十分良くなります。しかし歯周病が重症になり”歯周ポケット”が深くなってしまうと、歯石を取ったり歯周ポケットの中をきれいにしただけでは治りません。”歯周炎を治療する”という事は、”口の中をきれいにする”だけではなく、”歯周ポケットをできる限り浅くして、歯周炎を再発しにくい状態にする”事を指します。そのためには外科的に歯周ポケットを除去する必要があります。この段階の治療を”歯周外科処置”といい、主に”フラップ手術”と呼ばれる小手術を行います。これは簡単に言うと、歯肉を切開して剥離し、歯根や歯槽骨を肉眼的に見える状態にして歯根の表面を徹底的にきれいにし、炎症で破壊された歯肉や歯根膜の残骸を除去する処置です。入院などの必要はなく、歯科口腔外科の外来で1時間程度で行える手術です。もちろん全身状態によっては手術が行えない患者さんもいらっしゃるので、お体の状態や歯と歯肉の状態など様々な要素を加味した上で手術をした方が良いと思われる方にだけお勧めしています。


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矯正治療を始める前に

矯正治療を始める前に

矯正治療は良いことばかりではありません。実際には矯正治療を始めることによって、想像以上のデメリットやマイナス面があることを知っておかなければいけません。

治療費が高く、経済的負担が大きい

矯正治療はほとんどが審美的・美容的目的の治療として行われるため、健康保険が効きません。そのために治療費はとても高額になってしまいます。

治療期間が長期にわたる

最低でも1〜2年、場合によっては3〜5年、気がついたら10年以上なんていうケースもざらにあります。すぐに綺麗な歯並びで楽しい毎日が訪れるわけではなく、一番輝いている楽しい青春の時期に、見た目の悪い装置を歯に接着して、笑うのも写真に撮られるのもコンプレックス。こんなはずじゃなかったなんてよくあることなんです。

装置を装着するため、慣れるまで違和感やわずらわらしさがある(歯が浮く感じがする、舌が当たってしゃべりにくい、食べ物がひっかかる、口内炎ができやすい等)

固定式矯正治療は歯の表面にブラケットという装置を強力に接着し、さらに針金を通して針金の弾力で骨を溶かして歯を動かします。歯が動くためには骨を溶かす必要があるので、痛いし歯が浮くし噛むと痛い。歯は磨きにくいので虫歯になるし、食べにくい上に喋りづらい。口内炎もよくできます。

歯に装置が装着されているのが見える

矯正をしたら歯並びが綺麗になる、でもその前に楽しい時期を何年間もみにくいアヒルの子にならなければならないのですから、始める時期はよくよく考えて相当の覚悟が必要です。

健康な永久歯を抜歯しなければならないことがある

矯正をしなければならないケースは大抵、顎が小さくて歯が並びきらないことが多いので、上下左右の小臼歯4本を抜いてそのスペースを利用して歯を並べることがほとんどです。少しの凸凹を治すために、健康な虫歯でもない歯を4本も抜いて本当に大丈夫? 喋るのも食べるのも今はなんともないんだから、矯正治療が自分にとって本当に必要かどうかをよく考えて家族で話し合ってから矯正治療を始める必要があります。

取り外し可能の矯正装置は、患者本人で装置の管理をする必要がある

取り外しのできる入れ歯のような矯正装置もありますが、この装置は毎日使わなければ効果が出ない上に壊れたり紛失したりする心配があります。取り外しできるとはいえお手入れをしなければ虫歯にもなりやすくなります。

固定式の装置(患者自身では取り外せない装置)の場合、注意深く歯ミガキを行わないと虫歯や歯肉炎ができてしまう恐れがある

固定式の矯正装置は歯に強力な接着剤でブラケットという装置を接着するために、歯磨きがとても難しくなってしまいます。矯正治療が終わった頃には歯がほとんど虫歯だらけになってしまった、なんていうことはよくあることです。また歯磨きがきちんとできないと歯肉に炎症が起きて歯肉炎になってしまいます。口臭の原因になることがあるので、矯正中は毎食後10分以上の丁寧な歯磨きが必須です。

矯正治療によって歯を移動中、歯の根の先端が溶けてしまうことがある

歯を動かすためには、歯が植わっている骨を少しずつ溶かす必要があります。しかし歯を少しでも早く動かそうとしたり、無理な方向に動かそうとすると、歯の根の先の方が溶けてしまうことがあります。3分の1ほど溶けてしまうこともあるので、そうなると歯の寿命も短くなることになります。矯正治療をしたら歯の寿命が早くなってしまい、早い時期に入れ歯になったという報告もあります。

矯正治療中は、一時的に咬み合わせが不安定になるため、アゴの関節に音がする、違和感がある、口が開けにくいなどの症状が出る場合がある

矯正治療をすると顎関節症が治るなんていうことはほとんどありません。むしろ矯正治療をすることによって顎関節症になってしまったケースの方が多く見られます。矯正治療の場合機能を犠牲にして審美や見た目を優先して治療するため、噛み合わせに対する配慮はほとんど行われません。矯正前は歯並びが悪くてもほとんどの歯がしっかり噛んでいたのに、矯正治療が終わったら見た目は良いけど噛み合わせが悪くなって前歯で噛みきれなくなってしまった、というケースや顎関節症になってしまったというケースがとても多く見られます。

治療終了後の後戻り

矯正治療で歯並びが綺麗に並んで装置が外れてホッと安心したのもつかの間、必ず歯を動かした後の後戻りがあります。歯は矯正をしてもしなくても、一生の間で少しずつ動いています。特に矯正治療をした後では強く後戻りしやすいので、必ず保定装置という後戻り防止装置を長期間にわたって装着する必要があります。歯の裏側に接着したり、入れ歯のような装置を寝てる間に装着したり、クリアで透明なマウスピースを入れたりします。

歯並びは個性です

歯並びに様々な個性はありますが、八重歯や出っ歯は病気ではありません。
背の高さに高い低いがあるように、顎の大きさにも大きい小さいがあります。体つきにデブとヤセ、顔の形に丸と四角、長い短いなどの個性があるように、歯並びにも出っ歯や受け口、八重歯などの個性があるのです。平成天皇も雅子さまも愛子様もキムタクもみなさんよくよく見ると歯並びは凸凹です。ですがそれが大切な大衆から愛される個性となっていて全然醜くはありません。出っ歯も受け口も八重歯もみんな素敵な個性なのですから、子供の個性を尊重してよくよく考えて、家族でしっかり相談してから矯正治療を始めましょう。喋ることと食べることに問題がなければ、日常生活上において矯正治療は必要ありません。


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亀山歯科医院 多摩市永山

歯科口腔外科


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母乳育児が歯の健康に有益

多摩市医科歯科ニュース

母乳育児が歯の健康に有益
おしゃぶりの使用度も関連
HealthDay News2015年7月2日 (木)配信 小児科疾患産婦人科疾患
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乳児を母乳で育てると、後に噛み合わせ異常が起きる可能性が低減するという。オーストラリア、アデレード大学のKaren Peres氏らの研究で示され、論文が「Pediatrics」オンライン版に6月15日掲載された。

Peres氏らは小児1,300人超を5年間追跡し、生後3カ月時、1歳時、2歳時の母乳育児の状況を調べた。また、生後3カ月、1歳時、2歳時、4歳時でのおしゃぶりの使用頻度も尋ねた。小児の約40%は4年間、日常的におしゃぶりを使用していた。

5歳時点で、小児らに開咬、交叉咬合、過蓋咬合、中等度~重度の噛み合わせ異常など、歯や顎の位置異常がみられるかを調べた。

過蓋咬合のリスクは、生後3~6カ月に母乳のみで育てられた小児ではそうでない小児に比べて3分の1低く、6カ月以上の母乳歴がある場合は44%低くなっていた。同様に、中等度~重度の噛み合わせ異常のリスクも、それぞれ41%、72%低くなった。

開咬、過蓋咬合、中等度~重度の噛み合わせ異常は一般に、ほとんどまたは完全に母乳で育った小児で少なかった。ただし、ほとんど母乳育児の児でも、おしゃぶりを使うと噛み合わせ異常の可能性がやや高かった。

今回の研究は母乳育児と歯の健康の因果関係を証明したものではないが、「母乳育児は、口腔の筋発達や鼻呼吸を助ける。また、不正咬合の危険因子と考えられているおしゃぶりの使用率も低くなる」とPeres氏は話している。


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